ある程度、中国語に慣れてる方は問題ないでしょうが、学習し始めのひとは、何がどうなってんの?と思いそうな文について書きます。
これです。中国のハンコ屋さんが、日本人客に、お店を説明しているときの一節です。
有很多日本客人来我们这儿刻章子。
yǒu hěn duō rì běn kè rén lái wǒ men zhè ér kè zhāng zǐ 。
どうでしょうか?なんの違和感もなくスンナリ入ります?スンナリ入る方は問題ないですが、抵抗の有るかたは、読んで下さい。
一般にこの文は、存在を表す“有”文とか言われており、「場所/時間 + 動詞 + 数量詞 + 人/物 」の語順になる。などの解説が100%されてます。(こんなコトは覚える必要無いです。)それ以外の記事、読んだこと無いです。
普段から「中国語は全て主述文。」「連動文、兼語文、補語、前置詞句 は全て連述文。」を勝手にひとりだけ主張している立場から、この文を分析させて頂きます。
まず、この 存在を表す“有”文 ですが、私にいわせると「存現文」と言って問題無いと思うのですが、何故か区別されてます。区別の必要性が私には解りません。クーポン5万円と同じ位必要性を感じません。アスペクト助詞の「着」の有る無しの差だけだと思うんですが?
まあ、どうでもイイです。話がヤヤコシクなるので。 存在を表す“有”文 自体、私から見ると何でもない普通の文で、ワザワザ 存在を表す“有”文 なる特別な言葉をつくる必要無いと考えるからです。
では、分析に入ります。
有 | 很多日本 | 客人 | 来 | 我们这儿 | 刻 | 章子。 | |
① | 述部 | → | → | → | → | → | → |
② | 連述部主眼 | → | → | 連述部飾り | → | → | → |
③ | 連述語主眼 | 修飾語 | 目的語 | 連述部飾り | → | → | → |
④ | 連述部主眼 | → | 連述部飾り | → | |||
⑤ | 連述語主眼 | 目的語 | 連述語飾り | 目的語 |
①まず、主部 述部 の区分けですが、この文 主語は省略されてます。無主語文とは違います。話者も聞き手も話題が解ってるので、省略されてるだけです。何が省略されてるかは、自ずと解るとおもいますが、这里 の類のものです。
②連述文です。連述主眼と連述飾りに分けられます。連述主眼の部分が、上記しました、存在を表す “有”文 なるものです。
③その 存在を表す “有”文 の部分の分析です。普通の単純な述語+目的語の構成です。場所が話題になっているという意味では、特殊は特殊なのかも知れませんが、私の感覚としては普通の主述文となんら変わったものでは無いです。ただ。この “有”文 ですが、連述文になった場合、常に主眼であるという点と、必ず先頭に位置する点は、特徴があります。私は連述文の定義を、「前か後のどちらかが主眼。」としてますが、主眼が前か後か迷わないので普通の文より簡単です。わたしは経験上、連述部飾りとして使われてるパターンは出会ったことがないです。
④後ろの連述部飾りの分析です。この部分、更に連述文になってます。前が主眼とも後ろが主眼とも取れるパターンです。「ハンコを彫りにくる。」のか、「来てハンコを彫る。」のか?の部分です。文脈で判断するしか無いです。とりあえず、原文の意訳に沿って、今回は前が主眼としました。
日本語訳します。→ 有です。很多日本客人が。(来我们这儿する。刻章子。の為に。)=飾り 。
なんか、補足をどんどん付け足していった感じの文になってます。
日本語意訳も書いておきます。「たくさんの日本のお客様が印鑑のオーダーにいらっしゃいます。」
今日、終わります。
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