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題して THE 状態補語

今日、状況補語について書きますが、その前に補語というコトバについて、少しだけ書きます。
述語となる動詞や形容詞の後に置いて、述語の表す動作行為の結果や状況を補足説明する成分を補語と呼ぶ。コレです。全ての元凶はコレです。この定義が有りながら、実際の意味は、補足説明する成分どころか、フレーズの中心、主眼なのです。ウサギとカメの詭弁術です。よくこんな詭弁術が公に通用しているものだと私は考えてしまうのです。我 吃 完 饭 了。 wǒ chī wán fàn le 私はご飯を食べ終えた。(結果補語)の例ですが、どう考えたって、「終えた。」が主眼で、「食べ」は飾りでしょう?飲み終えたもあれば、書き終えたも有るワケです。補語は、大きな意味で、結果、方向、可能、状態補語、全て動作の結果であるという記事を見た。結果であるという事は、つまり主眼は補語の部分(後ろの述語)にあるという事で、何とか補語というのは全て主眼は後ろにあるという事になる。

 では、今日の主題、状態補語について書きます。結果補語については 「連述文の後ろの述語が結果を表している文。」という事で以前説明しました。結果の部分が状態に置き換わるだけです。つまり「 連述文の後ろの述語が状態を表している文。」という事です。
 この状態補語ですが、読む本によっていろんな呼び方をされてます。様態補語とか程度補語とかバラバラです。呼び方を統一しないとワケが解らなくなりますので、統一します。
・述語+ 得+状態を表す述語 ⇒ 状態補語。
・述語+程度を表す述語 ⇒ 程度補語。 
上記ふたつをひっくるめて程度補語だとする説明も本によっては有りますのでグチャグチャです。グチャグチャなので「得」を挟むものを状態補語 挟まないものを程度補語と私のブログでは統一します。

 でっ、その 「 連述文の後ろの述語が状態を表している文。」 状態補語なんですが、要は、補語ではなくて連述文だという私だけの主張の立場から言うと、「連述語飾り(主語系)+ 得 +状態の連述語主眼」の構成になるという事でその意味はこの構成さえ掴めれば自ずと解る。「なんとかの何とかを補足説明するなんとかかんとか~。」という一般に言われている補語の定義は、とりあえず無視します。補足説明なんかしてませんので。状態補語と言われている部分が主眼で述語の中心です。軸です。前の述語が、連述語飾りです。主語系の飾りです。(私は、主語も目的語も述語の立場から見ると修飾語に過ぎないと考える。)
 実際、例文で見てみましょう。
1⃣他跑得很快。 Tā pǎode hěn kuài.
2⃣房间收拾得干干净净的。 Fánjiān shōushide gāngānjìngjìng de.
3⃣她哭得眼红了。 Tā kūde yǎn hóng le.

1⃣很快。
主語述部
連述語飾り構造助詞 得状況連述語主眼
2⃣房间收拾干干净净的。
主語述部
連述語飾り構造助詞 得状況連述語主眼
3⃣眼红了。
主語述部
連述語飾り構造助詞 得状況連述語主眼

分析すると上記のようになるのですが、日本語の意味は推測出来ましたか?答えは下記です。

1⃣ 彼は走るのが早い
2⃣ 部屋はきれいに片づけてある。→文の構造を理解する意味では、部屋の 片づけ はきれいである。位が妥当だと思う。
3⃣ 彼女は泣いて目が赤くなった。


 ここまではイイのですが、私がもうひとつ疑問に思ったのは、 「連述語飾り(主語系)+ 得 」の 「得」は、「的」で良いのではないか?という疑問です。主語系の飾りという事は、述語が名詞化するという事です。その意味で構造助詞 「的」 をどうしても連想してしまいます。近年 「得」と「的」は区別せず全て 「的」 を使う流れもある様です。私の疑問のような考えがこの流れを作ってると思います。ただ、この 「得」と「的」ですが、根本的な違いが有ります。
・「的」: 「的」の後ろは名詞です。
・「得」: 「得」の後ろは述語です。
これを意識すれば、「得」と「的」 の区別は出来ます。
出来ますが更に余計な事を書くと、
・「的」: 「的」の前は、形容詞、代名詞、名詞 ですが、
・「得」: 「得」の前は動詞、形容詞です。
つまりdeの前が動詞なら必然的に 「得」となる。deの前が形容詞なら 「的」も「得」もあり得る。あとは後ろに名詞がくるのか?述語がくるのか?で決まるという事です。
 もうひとつ、実際の例文の後で書こうかとも思ったのですが、先に書くことにします。目的語が入る場合のその位置です。「彼はバドミントンがうまい。」は「他打羽毛球得很好。」となりそうですが、正しくは「他打羽毛球打得很好。」となります。状態補語は動詞の直後で、間に目的語を挟めないのだそうです。 いったん前で他打羽毛球といっておいて後ろに打得很好を加えるのが正しいそうです。ナゼなんだろう?とは思いますが、ハマりそうなので深入りしないことにします。そのうち気が向いたら考えます。
 目的語が入る場合の表現方法は3通りあるそうです。その記事を下記します。
1.王老师说汉语说得很清楚。 Wáng lǎoshī shuō Hànyǔ shuōde hěn qīngchu.
 訳:王先生は中国語を話すが、その話し方ははっきりしている。
2.王老师汉语说得很清楚。 Wáng lǎoshī Hànyǔ shuōde hěn qīngchu.
 訳:王先生は中国語をはっきり話す。
 このタイプは要するに最初の動詞を省略しているのです。
3.王老师的汉语说得很清楚。 Wáng lǎoshī de Hànyǔ shuōde hěn qīngchu.
 訳:王先生の中国語は話し方がはっきりしている。
 2.は、最初の動詞を省略していると書かれているが、果たしてそうだろうか??私が思うに、最初の動詞が省略されてるワケでは無くて、要は主語つまり話題をどう表現するかだけの違いだと思う。2.は決して1.の省略形では無い。全く別の表現方法だと思う。
1.王老师说汉语 が主語。以下が述部。
2.王老师 が主語。以下が述部。
3.王老师的汉语が主語。以下が述部。
別記事で見たのですが、目的語を先頭に持ってくる表現もあるそうです。4.として書きます。
4.汉语王老师说得很清楚。 汉语 が主語。目的語を話題として取り上げたワケです。以下が述部という事です。

実際の例文いくつか掲げておきます。
・你来得太晩了。 来るのが遅すぎます。
・你长得很帅。 あなたはかっこいいですね。→ 育つのがかっこいい。(中国語では、こう言います。)
・她长得挺漂亮的。 彼女はとても綺麗です。 →育つのがとても奇麗。 (中国語では、こう言います。)
・你最近过得怎么样? 最近どう?→ 過ごすのが、どうですか?
・能不能说得详细点? もう少し詳しく話してもらえませんか?→ 話すのが詳しい。
・搞得这么复杂! こんなに複雑なの?→ するのがこんなに複雑。
・一定会玩得愉快的! 絶対に楽しく遊べるよ!→ 遊ぶのが楽しい。
・难怪你汉语说得这么流利。 Nánguài nǐ Hànyǔ shuōde zhème liúlì . どうりで君は中国語を話すのが      こんなに流ちょうなわけだ。
・她长得又甜,唱得又酷。 Tā zhǎngde yòu tián , chàngde yòu kù . 彼女は顔もかわいいし、歌もかっこいい。→ 育って可愛い状態になってる。
・这个选手唱得跟专业歌手一样。 Zhè ge xuǎnshǒu chàngde gēn zhuānyè gēshǒu yíyàng . この選手は歌い方がプロの歌手みたいですね。
・照得很清楚! Zhào de hěn qīngchu ! きれいに撮れていますね。→ 撮るのがハッキリしてる。
・今天玩儿得真开心! Jīntiān wánr de zhēn kāixīn ! 今日は本当に楽しかったです!→ 遊ぶのが楽しかった。
・你说日语说得真好! Nǐ shuō Rìyǔ shuō de zhēn hǎo! 日本語を話すのが本当にお上手ね。
・时间过得真快啊! Shíjiān guò de zhēn kuài a! 時間がたつのは本当に速いね。
・我们每天都吃得很多。 Wǒmen měitiān dōu chīde hěn duō . 毎日たくさん食べていました。→ 食べるのが多い。
・裙子越短越显得腿漂亮。 Qúnzi yuè duǎn yuè xiǎnde tuǐ piàoliang . スカートが短ければ短いほど足がきれいに見えます。
・教室里静得掉根针都听得见。 Jiàoshì li jìngde diào gēn zhēn dōu tīngdejiàn . 教室の中は針が落ちる音さえ聞こえそうなほど静まり返っている。→ 静かなのが針が落ちる音さえ聞こえそうなほど。
・他游泳游得很好。 Tā yóuyǒng yóude hěn hǎo . 彼は泳ぐのがうまい。
・我怕得要命。 Wǒ pà de yàomìng . 死ぬほど怖かったんだ。→ 怖かったのが死ぬほどだった。
・雨下得很大。 Yǔ xià de hěn dà. 雨がとても強く降っています。→ 降るのが大きい。

 日本語訳は、意訳になってますので→で文の構造を意識した訳を付けました。
どうでしょうか?
状態補語は、非常に難解です。今日書き切れません。

 疲れたので今日、終わります。

補語に関しては、この記事の後、別記事書いてます。もし、なんなら見てください。



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